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大阪大学中之島芸術センター・大阪大学大学院人文学研究科・大阪大学総合学術博物館主催
中之島に鼬を放つⅢ―大学博物館を共創するアート人材育成プログラム
都市のアルケオロジーⅢ
中之島デリバティブⅢ
中之島は、大阪でも静かなところだと思う。
人混みにまみれる事なく高層ビルの隙間を歩き、川沿いに身を寄せると、心地よい風が流れていくような場所。
イメージは水都大阪そのもの。だから、昔から中之島はずっと静かなところだったと想像していた。
実際は、想像とは真逆。今から遡ること、300年くらい前のこと。江戸時代に中之島は、米市場の重要な役割を果たしていたそうだ。1730年には、当時の将軍徳川吉宗が堂島米市場を公認し、世界先駆けの先物取引(デリバティブ)所でもあったとか。活発な商取引の中で中之島は、おそらく今とは異なる様相で賑わっていたに違いない。
勉強不足のわたしは、全く知らなかった。時の流れは、不思議。昔も今も、変わらないところもあれば、面影もないところもある。
変わりゆくものの名残を惜しみつつ、未来へ繋げていく。それが記憶を繋げる装置となる。
中之島デリバティブⅢは、記憶の砂を拾い集め、今を生き、未来を作る。そんなメッセージが詰まっている。
中之島から発信される場所と記憶の架け橋。束の間、自らの過去の記憶と重なって、今を誘う言葉を紡ぎだしていく。
良いな。こんな感覚。ふわり、ふわり。演劇を見終わった後、浮遊感を楽しみたい。
そんな中之島デリバティブⅢ。待ち遠しい。
中原 寛美
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